車椅子と生活動線

住まいを新築する時、水回りやLDKの位置を考えます。玄関の近くで、LDKの外に、トイレや洗面脱衣所やバスルームを設置する場合には、LDKと水回りの間に廊下を設けます。日本では、この廊下の幅は80~85㎝程度が標準となっています。車椅子の幅は60~70㎝で、この外に手を回して、車輪を漕いでいくわけですから、余裕も少なく、まして、ドアがあったり、方向転換が必要だったりしたら、もう無理です。しかし、動線を廊下でなく、LDKの中に求めると、たとえ、車椅子でも、動くのに余裕があります。おまけに、出入り口にはドアでなく、引き戸を採用したら、さらに動きがスムーズになります。車椅子生活を想定して、廊下の幅を広くするよりも、間取りを考えて、部屋の中に動線を考えていく方が、スペースを有効に使うこともできます。

私の友人が住まいを新築した時には、母親はくも膜下出血後のリハビリ中でした。最初は車椅子や歩行器で移動することになります。もし、廊下を動線とするならば、広く取らなくてはいけません。また、廊下と水回りの位置関係が90度であったら、どうしても、方向転換しなくてはいけませんから、ただ通り抜けるよりも、さらに広いスペースが必要です。

そんな時、設計事務所の人から思いがけない提案がありました。玄関ホールからLDKへ入り、そのLDKを大きいワンフロアにして、リビングとダイニングの境目あたりにトイレを、ダイニングの前に洗面脱衣所とバスルームを作りました。母親のプライベートルームは、ダイニングの隣にありますから、洗面脱衣所、バスルーム、トイレに行くのにも、90度の方向転換が必要です。充分なスペースがありますから、方向転換には支障がありません。廊下を広く取るよりは、スペースを有効に使うことができます。

This entry was posted on 火曜日, 9月 16th, 2014 at 10:37 AM and is filed under リフォーム, 新築. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

Comments are closed.